誕生日プレゼント|私への贈り物に便乗する母

出不精の両親は家の中でゆっくり過ごすほうが好きで、長期休暇などに旅行や遊園地に連れて行ってもらったことがありません。

年始の挨拶に出向くそれぞれの実家や親戚の家ぐらいです。近所のスーパーやモールへのお買い物には連れていってもらいましたが、プールやディズニーランドへ行った思い出の付き添いは、友達のお父さんや親戚のおばさんでした。

それでも母親のほうは、稀に無性に外出したくなるようで、

まだ一月も先の私の誕生日プレゼントを買いに行こうと誘ってきました。

毎年、私が自分でケーキを買って帰ってささやかなお祝いをして、これで好きな物でも買いなさいとお小遣いをもらうのが通例でしたが珍しいこともあるもんです。

母親とのお出かけは久しぶりなので、どこに行きたいのか聞くとあなたの買い物なんだからあなたが決めなさいと、至極もっともなお返事でした。

確かにその通りなんですが、いつもわがままを通すのは母なので、少々びっくりしていると、メガネが欲しいって言ってたからあのメガネ屋さんよねと、

いつの間にか誕生日プレゼントも買うお店も決まっていました。

もらったお小遣いで毎年メガネを新調しており、その報告もしていたのでまあ今年もメガネでいいんですが、何か腑に落ちません。勝手知ったるお店で、とっかえひっかえメガネを試着していると、あろうことか母親も楽しそうにフレームを選んでいるではありませんか。

ふち無しとワインレッドのフレーム、どちらが似合う?と買う気満々です。そして私より先に視力検査を済まし、私を急かし、2本買うと5%割引になる制度を利用して、ちゃっかり自分の老眼鏡を新調していました。

飽きれながらも、これこそ母だよなと納得し、私は私の新しいメガネを大事に抱えながら家路につきました。

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