誕生日プレゼント|母曰く 今年から商品券でいい

誕生日のプレゼントは、値段の高い安いに関係なく、あげる人が喜んでくれる品をあげたいと思います。

そんな中で、一番困ったのがうちの母です。母は、好みが独特で、何をあげれば喜ぶのか、全くわかりません。

ある日、母の誕生日で頭を抱えていた私に、母は言いました。「あのね、悪いんだけど、いつももらっているプレゼント、勿体無いから、今年から、商品券でいいから」

ええっ!と驚いたものの、本人がそれを一番喜ぶのなら、と了解しました。母の希望どおり、毎年の誕生日のプレゼントは、額面一万円の商品券を贈る事になりました。金額の低さは、子供の懐を思っての事だと思います。

ある時、大手の会社のコーナーで、商品券を、千円分の券を十枚で、一万円分頼みました。そして、夕方になり、プレゼントを開けてみると、「あら、今年は豪勢なのねぇ。」と、母が言い、商品券を数え始めます。

いつもと同じ金額なのに、と私を含め家族全員が思った時、「ちょっと、これ十万円あるわよ!」と、母が叫びました。「ええっ!」さすがに、私がそんなに払える訳がない事は、誰の目にも明らかです。

「店員さんが、千円分の商品券を一万円と間違えたんじゃ…。」それしかないのは、わかりきっています。「で、どうするの?」と、誰かが言います。返すしかありませんが。そんな時、玄関の呼び鈴が鳴りました。

私が出てみると、例の店員さんと、その上司と思われる中年の男性です。立派な手土産を持っています。「この者が金額を間違えまして…、できるものならば…」とお願いしてくるので、お返ししました。

そうです。法律では、そのまま、家まで持ち帰った場合、返金しなくてもいいのです。所有権が派生するのです。ですから、手土産まで持ってお願いにきたわけです。「と、いう事は返さない人もいるのかな。」と、誰かが言いますが、そんな、自分で稼いでいないお金を使うなんて、気持ち悪くてできません。

が、後でこっそりと、母が私に言いました。「あの商品券、返さなかったら、すごかったわね。」と。やはり、母は、理解不能です。

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