誕生日プレゼント|忘れることのできない彼女への贈り物

大学生の時、

付き合っていた彼女へ誕生日プレゼントを探していたときの話です。

彼女はプレゼントなら何でも喜んでくれるような人だったので、プレゼントは特別高価なものなどにする必要はなかったのですが、せっかくの誕生日プレゼント、できれば高価とはいかずとも、きちんとしたお店のきちんとしたものをプレゼントしたい。

そう思って、バイトでためた金を握りしめて、都心のデパートにプレゼントを探しにいきました。バイトでためたといっても所詮は貧乏学生、それほど予算があるわけではありません。

指輪とか時計とかを本当はプレゼントしたいのですが、いい感じのものはやっぱりいいお値段になってしまうため、全く手が出ませんでした。それ以前に、お店によっては、こちらの身なりからお金がないことをすぐに見抜かれ、あまり相手にされない、というような悲しい体験をすることもありました。

でも、そんなことではへこたれません。

彼女に少しでもいいところを見せるため、そこそこの予算でも見栄えがいい、そして喜んで使ってもらえるようなものを、街中のお店をまわって一生懸命探しました(若かった…)。

そんな折、たまたま入ったデパートの地下、なかなかいい感じの高級でおしゃれな店で、プレゼントにぴったりの香水を見つけました。容器もかなり凝っていて、香りも感じがよく、予算もギリギリ範囲内。

迷っていると、お店の女性店員さんが声をかけてくれました。黒い内装の店内に合わせて黒い上下のスーツをかっこ良く着こなしたその店員さんは、しかしとても親切でいろいろとアドバイスもしてくれました。

きちんとした対応に感動して、その香水を購入。すると会計の時に店員さんがひとこと、

「素敵な、誕生日プレゼントですね」

そのひとことで、一生懸命悩んで探しまわっていた疲れが吹き飛びました。

プレゼントはそのものの価値も大切ですが、そこにまつわるストーリーこそがそのものを本当に「特別な」ものにしてくれるんですね。今でも忘れることのできない思い出です。

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